私の彼はおもちゃ箱のような人。

いつも私をドキドキさせてくれて。
いつも私をわくわくさせてくれて。


私も貴方のように


どきどきを感じさせているのでしょうか?


胸のドキドキ

「か〜ほ〜ちゃんっ!」 「きゃあっ!か、和樹先輩!?」 「当たり〜!」 「も、もう!いきなり抱きつかないでください! びっくりするじゃないですか〜!」 日課といえば日課なのだが。 火原和樹は彼の恋人である日野香穂子を見ると必ず抱きつく。 人がいようが、いまいがお構いなし。 「え、だって香穂ちゃんに会えて嬉しいんだもん」 にこにこ。邪気のない笑顔で言われると香穂子の強く言えず。 「出来れば…人の少ない所でお願いします…」 そう言うのが精一杯だった。 --------------------------------------- 「はあ」 「コラ女子高生。何タメイキなんてついちゃってるの?」 「あ…菜美。笙子ちゃんも…。うん…」 ため息をつく香穂子の頭にぽこ、と軽くアルバムを乗せる天羽と その二人の様子を見ながらくすくすと笑う冬海がやってきた。 私だけ…なのかな? 貴方にどきどきしているのって。 私のどきどきの半分でもいいから 貴方に伝わればいいのにな。 「…で。いつも抱きつかれてどきどきしているのは自分だけだって思ってるってこと?」 「うん」 「まぁ、火原先輩のスキンシップは過剰…だもんねぇ」 「そう…。でもなんというか…可愛くて、嫌じゃないの!どきどきするだけなの!!」 「いつも…火原先輩のなさる行動で香穂先輩はどきどきなさるんですよね?」 「うん、そう」 「で、火原先輩にも同じ思いを持っていただきたい」 「そうなの〜」 「でしたら…自分が同じことを火原先輩にしてみてはいかがでしょうか?」 「おっ!冬海ちゃんたらいいこと言う〜!いいじゃん香穂。それやりなよ! 火原先輩がどんな行動起こすか楽しみだわ」 「…でも…ねぇ…」 いつも自分から抱きついてくる先輩に。 私が抱きついたからって何が起こるとも思えなかった。 まぁ…いいか。 ものは試しということで。 香穂子は火原と待ち合わせしている正門へと向かった。 -------------------------------------------------- 「先輩〜!」 「ええ?うわ、か、香穂ちゃん?」 「はい、アタリです〜!」 いつもとは逆パターンで。 背中にきゅう、としがみついているのは香穂子の方。 「わわわ、香穂ちゃんどうしたの?」 「いつも先輩に抱きつかれているから、お返しです」 「お、おか、えし…」 いつもよりどもる火原に違和感を覚え顔を覗き込むと… そこには耳まで赤くなっている火原の姿が。 「先輩…?」 「わ〜今、おれのこと見ないで!顔赤いから…!!」 正面を向かせられ先輩の胸に顔を押し付けられる。 その胸は かなりの速さで鳴っていて。 「…先輩も緊張していたんですね」 「あ…ばれた?いつもは自分から行くから心の準備が出来てたんだけどね」 「ふふ…よかった。先輩と一緒で」 「何が?」 「ドキドキが、です。私だけかなって思ってたら」 「そんなことないよ。いつもおれ、緊張してるんだよ。 やっぱり、好きな子だからさ。嫌われたくないしね」 「…私もです」 「あはは。嬉しいね。同じなんてさ」 私の彼はおもちゃ箱みたいな人。 そして私も彼のおもちゃ箱になれたみたいです。 …後日。 ばたばたばたばたばたばた。 廊下を走る天羽と追いかける香穂子。 「こら〜菜美!!」 「あはは、だってジャーナリストはすべて真実を伝えなきゃ。 しかも読者のニーズに答えるのもつとめだもの!」 「何よそれー!!」 「じゃあね〜!」 あれだけファータを集めるために走って体力には自信のあった香穂子だったが、 ジャーナリストの卵には勝つことが出来ずまんまと逃げられてしまった。 「もう〜…」 香穂子の手には 自分からから火原に抱きついた写真がでかでかと載った号外が握られていた。 ------------------------------ 90000HITフリー小説火原×香穂子SSでした(現在は配布してません) 色んな方に貰っていただけて感謝感激でありました。 BACK